※2019年1月24日に「OM-D E-M1 Mark II (シルバー)」が全世界限定2000台で2019年2月22日に発売されることが発表されました。
「LUMIX G9」と「OM-D E-M1 Mark II」はどちらも高速連写と高速オートフォーカスを重視したスチル向けのカメラです。近いスペックを持ったフォーサーズセンサー(約17x13mm)が搭載されています。パナソニックは動画向けのフラッグシップ機として「LUMIX DC-GH5」をラインナップしており、「LUMIX DC-G9」は静止画向けの新しいフラッグシップ機です。オリンパスは動画向けのフラッグシップ機をラインナップしておらず、静止画向けの「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II」が現行のミラーレスでは唯一の最上位のフラッグシップ機です。
外観・デザインの違い
- 【サブモニター】
「LUMIX G9」は上部の右肩にサブモニターの「ステータスLCD」が搭載されています。ミドルクラス以上のデジタル一眼レフカメラに搭載されることが多い情報表示パネルで、現在の設定や撮影可能枚数をすぐ確認することができます。 - 【ジョイスティック】
「LUMIX G9」は背面の中央より上部の右側に「ジョイスティック」が搭載されています。オートフォーカスポイント(AFエリア)を直感的に移動することが可能です。 - 【EVF(電子ビューファインダー)】
「OM-D E-M1 Mark II」はEVFの倍率が1.48倍(35mm判換算で0.74倍相当)ですが、「LUMIX G9」は倍率1.66倍(35mm判換算で0.83倍相当)です。「LUMIX G9」はより大きく被写体を確認することができ、ファインダー倍率は約0.83倍、約0.77倍、約0.7倍の3段階で切り替え可能です。 - 【ナイトモード】
「LUMIX G9」は天体撮影など暗い撮影シーンでも目への刺激を抑える「ナイトモード」が使用できます。ファインダーでもモニター表示でも利用でき、個別に設定することも可能です。 - 【グリップ】
「LUMIX G9」は「OM-D E-M1 Mark II」よりグリップ部が大きな形状になっており、カメラをしっかりとホールドすることができます。 - 【サイズ】
「LUMIX G9」は「OM-D E-M1 Mark II」より、幅が2.8mm、高さが6.4mm、奥行きが22.7mm、質量が81g、大きく重くなっています。「LUMIX G9」は4K 60fpsの動画撮影に対応しているので熱対策のためや、高い防塵・防滴仕様を実現するために大型のボディサイズになった可能性があります。
機能の違い
- 【ハイレゾリューションモード】
「LUMIX G9」と「OM-D E-M1 Mark II」はどちらも8枚の写真を撮影して1枚の高解像の写真を生成する「ハイレゾリューションモード(ハイレゾショット)」に対応しています。「OM-D E-M1 Mark II」は5000万画素相当の画像を生成するのに対し、「LUMIX G9」は8000万画素相当の画像を生成することができます。 - 【プリ撮影機能】
「LUMIX G9」は事前に連写記録を開始し、シャッターボタン全押しまでの連写撮影を遡って記録できる「プリ連写機能」に対応しています。AFS/MF時は最大24枚、AF/AFF時は最大8枚の撮影が可能です。「OM-D E-M1 Mark II」の「プロキャプチャーモード」は、1stレリーズから撮影記録を開始し、2ndレリーズまでの間で最大14コマの記録が可能です。どちらも反応タイムラグや動作タイムラグを取り除いた撮影ができます。 - 【連写性能】
「LUMIX G9」はメカシャッター時で12コマ/秒(追従連写時は9コマ/秒)の連写性能ですが、「OM-D E-M1 Mark II」は15コマ/秒(追従連写時は10コマ/秒)です。電子シャッター時は、「LUMIX G9」が60コマ/秒(追従連写時は20コマ/秒)なのに対し、「OM-D E-M1 Mark II」は60コマ/秒(追従連写時は18コマ/秒)になっています。メカニカルシャッター時は「OM-D E-M1 Mark II」が優れていますが、電子シャッター時は「LUMIX G9」が優れていると思われます。 - 【オートフォーカス性能】
「LUMIX G9」はオートフォーカス方式が「コントラストAF」のみですが、「OM-D E-M1 Mark II」は「像面位相差AF」と「コントラストAF」に対応しています。しかし、「LUMIX G9」は「DFDテクノロジー(空間認識技術)」を利用した「空間認識AF」と呼ばれるAF制御を行うことで、「コントラストAF」とは思えないほど高速なオートフォーカスが使用可能です。「OM-D E-M1 Mark II」は「像面位相差AF」に対応しているので、高速なオートフォーカスが可能なだけでなく、マウントアダプターを使用して一眼レフ用の交換レンズでも高速AFが可能です。 - 【動画性能】
「LUMIX G9」は4K(3840x2160) 60pの動画撮影に対応していますが、「OM-D E-M1 Mark II」は4K(3840x2160) 30pまでの動画性能です。「LUMIX G9」はフルHD(1920x1080)で180fpsのハイスピード動画(スローモーション撮影)にも対応しています。「OM-D E-M1 Mark II」はシネマ向けのシネマ4K(4096x2160) 24pでも撮影可能です。 - 【手ブレ補正】
「LUMIX G9」は6.5段分の強力な5軸ボディ内手ブレ補正が搭載されていますが、「OM-D E-M1 Mark II」は5.0段分のボディ内手ブレ補正です。どちらもレンズ内手ブレ補正とボディ内手ブレ補正を組み合わせて補正効果を高める「Dual I.S.2(パナソニック)」「5軸シンクロ手ぶれ補正(オリンパス)」に対応しています。オリンパスは特定のレンズと組み合わせることで6.5段分の手ブレ補正効果を実現し、パナソニックは補正効果が落ちる望遠側でも「Dual I.S.2」を使用することで6.5段分をキープしたまま撮影できます。 - 【顔・瞳AF】
「LUMIX G9」と「OM-D E-M1 Mark II」はどちらも顔認識AFと瞳認識AFに対応していますが、「LUMIX G9」はさらにディープラーニング技術による「人体認識」機能を搭載したことで性能が向上しています。人物の検出にAIを活用することで、後ろや横を向いた場合でもしっかりとピントを合わせることができます。タッチするだけでフォーカスを合わせる人物を選択することも可能です。 - 【6Kフォト、4Kフォト】
「LUMIX G9」は秒間30コマで約1800万画素相当の写真を撮影する「6K PHOTO」と、秒間60コマで約800万画素相当の写真を撮影する「4K PHOTO」が使用可能です。 - 【USB充電】
「LUMIX G9」はUSB充電(給電)に対応していますが、「OM-D E-M1 Mark II」は非対応です。「LUMIX G9」は電源を供給しながら撮影したり、画像を再生することも可能です。
パナソニック 2018-01-25
製品名 | パナソニック LUMIX DC-G9 | オリンパス OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II |
---|---|---|
発売日 | 2018年1月25日 | 2017年3月23日 |
価格 | 20万円前後 | 21万円前後 |
シリーズ | LUMIX Gシリーズ | OLYMPUS OM-Dシリーズ |
マウント | マイクロフォーサーズ系マウント | |
センサー | フォーサーズ(4/3型Live MOS 17.3x13mm) | フォーサーズ(4/3型Live MOS 17.4x13mm) |
ローパスフィルター | レス仕様 | |
画像処理エンジン | ヴィーナスエンジン | TruePic VIII |
総画素数 | 2177万画素 | |
有効画素数 | 2033万画素 | 2037万画素 |
最大記憶画素数 | 5184x3888px | |
ISO | 200-25600 | 200-6400 |
拡張ISO | 100 | 64-25600 |
連写 | メカシャッター:12コマ/秒、電子先幕シャッター:9コマ/秒、電子シャッター:60コマ/秒 | メカシャッター:15コマ/秒、電子シャッター:60コマ/秒 |
追尾(追従:AFC、連写L)連写 | 20コマ/秒(電子シャッター)、9コマ/秒(メカシャッター、電子先幕シャッター) | 18コマ/秒(電子シャッター)、10コマ/秒(メカシャッター) |
連続撮影可能コマ数 | RAW/RAW+JPEG連写:60コマ以上、JPEG連写:600コマ以上、約60コマ/秒と約20コマ/秒の超高速連写時(SH)は50コマまで | 電子シャッター:RAWで約77コマ JPEGで約105コマ、メカシャッター:RAWで約148コマ JPEGでメモリーいっぱいまで |
AF方式 | コントラストAF(空間認識AF対応) | 像面位相差AF+コントラストAF(ハイスピードイメージャAF) |
測距点 | 225点 | 121点(クロスタイプ位相差AF)、121点(コントラストAF) |
測距輝度範囲 | EV -4~18 | EV -2~20 |
ファインダー | 有機EL(OLED) LVF (368万ドット/視野率100%/倍率1.66(35mm換算:0.83)倍)、120/60fps | アイレベル式液晶ビューファインダー (236万ドット/視野率100%/倍率1.48(35mm換算:0.74)倍) 最高120fps |
アイポイント | 約21mm | |
モニター | 3インチ (104万ドット) | |
シャッタースピード(機械式) | 1/8000-60秒 | |
電子先幕シャッター | 1/2000-60秒 | 1/320-60秒 |
電子シャッター | 1/32000-1秒 | 1/32000-60秒 |
フラッシュ同調速度 | 1/250秒以下 | |
サイレントシャッター | ○ | |
バルブ撮影 | ○ | |
セルフタイマー | 2、10秒 | 2、12秒 |
撮影枚数 | モニター時:380枚、ファインダー時:360枚 | 440枚 |
RAW | ○ | |
JPEG | ○ | |
TIFF | ||
RAW+JPEG | ○ | |
動画 | 4K(3840x2160) 60p | シネマ4K(4096x2160) 24p、4K(3840x2160) 30p |
ハイフレームレート | 180fps(1920x1080) | |
ファイル形式 | AVCHD Progressive、AVCHD、MP4 | MOV、AVI |
撮影時間 | 4K 60pは最大10分、それ以外は29分59秒 | MOV:約29分、AVI(HD):約7分 |
映像の出力 | 4:2:2 8bit | 4:2:2 |
Log | ||
手ぶれ補正 | 6.5段分(Dual I.S.2対応) | 5.5段分(5軸シンクロ手ぶれ補正対応) |
内蔵フラッシュ | - | |
防塵防滴仕様 | ○(-10℃耐低温性能にも対応) | |
ゴミ取り機能 | ○ | |
ライブビュー | ○ | |
可動式モニター | バリアングル | |
pictbridge | ○ | |
水準器 | ○ | |
タッチパネル | ○ | |
ジョイスティック | ○ | - |
顔認識 | ○(瞳認識も可) | |
英語対応 | ○ | |
Wi-Fi | ○ | |
NFC | - | |
GPS | - | |
Bluetooth | ○(4.2) | - |
ハイレゾリューションモード | ○(80MP) | ○(50MP) |
タッチパッドAF/AFターゲットパッド | ○ | |
フォーカスブラケット | ○ | |
フォーカス合成/深度合成モード | ○ | |
フリッカー対策 | 未確認 | |
プリ撮影モード | プリ連写機能 | プロキャプチャーモード |
USB給電 | ○ | - |
メモリーカード | デュアルSD(SDXC UHS-II) | デュアルSD(SDXC スロット1:UHS-II、スロット2:UHS-I) |
サブモニター(情報表示パネル) | ○ | - |
マグネシウム合金 | ○ | |
幅 | 136.9mm | 134.1mm |
高さ | 97.3mm | 90.9mm |
奥行き | 91.6mm | 68.9mm |
重さ | 579g | 498g |
総重量 | 658g | 574g |
バッテリー | DMW-BLF19 | BLH-1 |
インターフェイス | USB3.0(マイクロB)、HDMI(タイプA)、フラッシュシンクロ端子 | USB3.0(タイプC)、マイクロHDMI(タイプD) |