パナソニックは、静止画と動画を重視した一眼レフデザインの「シューティングスタイル」シリーズとして、「LUMIX Gシリーズ」と「LUMIX GHシリーズ」をラインナップしています。「LUMIX GHシリーズ」は「LUMIX Gシリーズ」の上位で、動画撮影をより重視したムービー向けカメラです。「LUMIX Gシリーズ」は「LUMIX GHシリーズ」の下位でしたが、「LUMIX DC-G9」から静止画をより重視したスチル向けの最上位機になりました。「LUMIX DC-G9」以前は「LUMIX GXシリーズ」が静止画向けのフラッグシップモデルでした。
【LUMIXの新しいダブルフラッグシップ展開】
LUMIX GH5 ・・・ 動画と静止画のハイブリッドを重視したモデル
LUMIX G9 PRO ・・・ 静止画を重視したモデル
外観・デザインの違い
- 【サブモニター】
「LUMIX G9」は上部の右肩に現在の設定をすぐ確認できる情報表示パネルのサブモニター「ステータスLCD」をLUMIXで初めて搭載しています。「LUMIX GH5」は右肩に「モードダイヤル」、左肩に「ドライブモードダイヤル」が設置されていますが、「LUMIX G9」は「モードダイヤル」と「ドライブモードダイヤル」が一緒になった2段のダイヤルが左肩に設置されています。 - 【ファンクションレバー】
「LUMIX G9」は正面右下に「ファンクションレバー」が追加されています。事前に「サイレントモード」などを割り当てておくことで、レバーの切り替えによって即座にファンクション設定の変更が可能です。 - 【EVF(電子ビューファインダー)】
「LUMIX GH5」はEVFの倍率が1.52倍(35mm判換算で0.76倍相当)ですが、「LUMIX G9」は倍率1.66倍(35mm判換算で0.83倍相当)です。「LUMIX G9」はより大きく被写体を確認することができ、ファインダー倍率は約0.83倍、約0.77倍、約0.7倍の3段階で切り替え可能です。 - 【ナイトモード】
「LUMIX G9」は天体撮影など暗い撮影シーンでも目への刺激を抑える「ナイトモード」が使用できます。ファインダーでもモニター表示でも利用でき、個別に設定することも可能です。 - 【グリップ】
「LUMIX G9」は「LUMIX GH5」よりグリップ部が大きな形状になっており、よりしっかりとカメラをホールドすることができます。 - 【デザイン】
「LUMIX G9」はハイエンドモデルを象徴するために新顔料を使用して深い黒色の塗装が施されています。「モードダイヤル」と「ドライブモードダイヤル」の間には撮影者の情熱を表す「赤ライン」が設置され、ルミックスの新たなアイデンティティを表現します。ペンタ部分の3角形状は「トリプルエッジライン」と呼ばれます。 - 【サイズ】
「LUMIX G9」は「LUMIX GH5」より、幅が1.6mm、高さが0.8mm、質量が66g、小さく軽くなっています。奥行きは大きく深いグリップが搭載されているので4.2mm厚いサイズです。
機能の違い
- 【画質】
「LUMIX G9」と「LUMIX GH5」は同じ画素数のセンサーと画像処理エンジンが搭載されていますが、「LUMIX G9」はセンサーの表面にAR(Anti Reflection)コーティング処理を施すことで効果的にフレアを抑制するなど「LUMIX史上最高の写真画質」と謳う高画質を実現しています。どちらも常用ISOと拡張ISO、ローパスフィルターレス仕様、ローリングシャッター歪みを抑えた撮影などの仕様が同じです。 - 【ハイレゾリューションモード】
「LUMIX G9」は8枚の画像を撮影して1枚の8000万画素相当のRAWやJPEG画像を生成する「ハイレゾモード」が使用できます。動きのない被写体に適した機能で、フラッシュは発光禁止となります。 - 【連写性能】
「LUMIX G9」と「LUMIX GH5」はどちらもメカシャッター時の連写速度が12コマ/秒、追尾時(AFC)が9コマ/秒です。しかし、電子シャッター時は、「LUMIX G9」が60コマ/秒、追尾時(AFC):20コマ/秒なのに対し、「LUMIX GH5」は12コマ/秒、追尾時(AFC):9コマ/秒です。「LUMIX G9」はより優れた電子シャッター時の連写性能を実現しています。 - 【プリ連写機能】
「LUMIX G9」は事前に連写記録を開始し、シャッターボタン全押しまでの連写撮影を遡って記録できる「プリ連写機能」に対応しています。AFS/MF時は最大24枚、AF/AFF時は最大8枚の撮影が可能です。 - 【顔・瞳AF】
「LUMIX G9」はディープラーニング技術による「人体認識」機能を搭載したことで、「顔・瞳AF」機能が向上しています。人物の検出にAIを活用することで、後ろや横を向いた場合でもしっかりとピントを合わせることができます。タッチするだけでフォーカスを合わせる人物を選択することも可能です。 - 【電子シャッター時のシャッタースピード】
「LUMIX GH5」は電子シャッター時のシャッタースピードが1/16000秒までですが、「LUMIX G9」は1/32000秒に対応しています。 - 【動画性能】
「LUMIX G9」と「LUMIX GH5」はどちらも4K(3840x2160) 60pの撮影に対応していますが、「LUMIX GH5」はさらにシネマ4K(4096x2160) 24pの撮影が可能です。どちらもクロップがない全画素読み出しの4K動画です。映像の出力は「LUMIX G9」が「4:2:2 8bit」に対応しているのに対し、「LUMIX GH5」はレンズ交換式カメラで世界初の「4:2:2 10bit」に対応しています。4:2:2 10bit 4K/30pはSDカードに内部記録も可能です。「LUMIX GH5」はさらに「V-Log」の撮影にも対応しています(「LUMIX G9」のLogについての記述は見当たりません)。 - 【動画記録時間】
「LUMIX G9」は4K 60p時は最大10分、それ以外は29分59秒の動画記録時間ですが、「LUMIX GH5」はフルHD時でも4K時でも「動画記録時間無制限」を実現しています。「LUMIX GH5」は高度な熱対策が可能な放熱設計に優れたボディ構造になっています。 - 【手ブレ補正】
「LUMIX GH5」は5.0段分のボディ内手ブレ補正が搭載されていますが、「LUMIX G9」は6.5段分の強力な5軸ボディ内手ブレ補正が搭載されています。どちらもレンズ内手ブレ補正とボディ内手ブレ補正を組み合わせて補正効果を高める「Dual I.S.2」に対応しています。「LUMIX G9」は補正効果が落ちる望遠側でも「Dual I.S.2」を使用することで6.5段分をキープしたまま撮影できます。 - 【AFポイントスコープ機能】
「LUMIX G9」は狙った被写体にフォーカスを合わせると、ピントが合った部分を拡大表示できる「AFポイントスコープ機能」が搭載されています。 - 【USB充電】
「LUMIX G9」はUSB充電(給電)に対応しています。電源を供給しながら撮影したり、画像を再生することも可能です。
パナソニック 2018-01-25
パナソニック 2017-03-23
製品名 | パナソニック LUMIX DC-G9 | パナソニック LUMIX DC-GH5 |
---|---|---|
発売日 | 2018年1月25日 | 2017年3月23日 |
価格 | 20万円前後 | 21万円前後 |
シリーズ | LUMIX Gシリーズ | LUMIX GHシリーズ |
マウント | マイクロフォーサーズ系マウント | |
センサー | フォーサーズ(4/3型Live MOS 17.3x13mm) | |
ローパスフィルター | レス仕様 | |
画像処理エンジン | ヴィーナスエンジン(同一) | |
総画素数 | 2177万画素 | |
有効画素数 | 2033万画素 | |
最大記憶画素数 | 5184x3888px | |
ISO | 200-25600 | |
拡張ISO | 100 | |
連写 | メカシャッター:12コマ/秒、電子先幕シャッター:9コマ/秒、電子シャッター:60コマ/秒 | メカニカルシャッター、電子先幕シャッター、電子シャッター:12コマ/秒 |
追従(追尾AFC)連写 | 20コマ/秒(電子シャッター)、9コマ/秒(メカシャッター、電子先幕シャッター) | 9コマ/秒(メカシャッター、電子先幕シャッター、電子シャッター) |
連続撮影可能コマ数 | RAW/RAW+JPEG連写:60コマ以上、JPEG連写:600コマ以上、約60コマ/秒と約20コマ/秒の超高速連写時(SH)は50コマまで | RAW/RAW+JPEG連写:60コマ以上、JPEG連写:600コマ以上 |
AF方式 | コントラストAF(空間認識AF対応) | |
測距点 | 225点 | |
オートフォーカス速度 | 0.04秒 | 0.05秒 |
測距輝度範囲 | EV -4~18 | |
ファインダー | 有機EL(OLED) LVF (368万ドット/視野率100%/倍率1.66(35mm換算:0.83)倍)、120/60fps | 有機EL(OLED) LVF (368万ドット/視野率100%/倍率1.52(35mm換算:0.76)倍) |
ファインダーの表示タイムラグ | 0.005秒 | 0.01秒 |
アイポイント | 約21mm | |
モニター | 3インチ (104万ドット) | 3.2インチ (162万ドット) |
シャッタースピード(機械式) | 1/8000-60秒 | |
電子先幕シャッター | 1/2000-60 | |
電子シャッター | 1/32000-1秒 | 1/16000-1秒 |
フラッシュ同調速度 | 1/250秒以下 | |
サイレントシャッター | ○ | |
バルブ撮影 | ○ | |
セルフタイマー | 2、10秒 | |
撮影枚数 | モニター時:380枚、ファインダー時:360枚 | モニター時:410枚、ファインダー時:400枚 |
RAW | ○ | |
JPEG | ○ | |
TIFF | ||
RAW+JPEG | ○ | |
動画 | 4K(3840x2160) 60p | シネマ4K(4096x2160) 24p、4K(3840x2160) 60p |
ハイフレームレート | 180fps(1920x1080) | |
ファイル形式 | AVCHD Progressive、AVCHD、MP4 | AVCHD Progressive、AVCHD、MP4、MOV |
動画撮影時間 | 4K 60pは最大10分、それ以外は29分59秒 | 動画記録時間無制限 |
映像の出力 | 4:2:2 8bit(4K 60/50p時は不可) | 4:2:2 10bit |
シネライクV、シネライクD | ○ | |
アナモフィックモード | 記述なし | ○ |
Log | 記述なし | ○(V-Log) |
手ぶれ補正 | 6.5段分(Dual I.S.2対応) | 5段分(Dual I.S.2対応) |
内蔵フラッシュ | - | |
防塵防滴仕様 | ○(-10℃耐低温性能にも対応) | |
ゴミ取り機能 | ○ | |
ライブビュー | ○ | |
可動式モニター | バリアングル | |
pictbridge | ○ | |
水準器 | ○ | |
タッチパネル | ○ | |
タッチパッドAF | ○ | |
ジョイスティック | ○ | |
顔認識 | ○(瞳認識、人体認識にも対応) | ○(瞳認識も可) |
英語対応 | ○ | |
Wi-Fi | ○ | |
NFC | - | |
GPS | - | |
Bluetooth | ○(4.2) | |
80MPハイレゾリューションモード | ○ | - |
プリ撮影モード | ○ | - |
ナイトモード | ○ | - |
AFポイントスコープ機能 | ○ | - |
6Kフォト | ○(30コマ/秒) | |
4Kフォト | ○(60コマ/秒) | |
カメラ制御PCソフト「LUMIX Tether」 | ○(USBテザー撮影に対応) | |
4Kライブクロップ | ○ | |
L.モノクローム | ○ | |
フォーカス合成 | ○ | |
フォーカスブラケット | ○ | |
絞りブラケット | ○ | |
フォーカスセレクト | ○ | |
カメラ内でRAWをJPEGに変換 | ○ | |
フリッカー対策 | 未確認 | ○(シンクロスキャン) |
USB給電 | ○ | - |
メモリーカード | デュアルSD(SDXC UHS-II) | |
サブモニター(情報表示パネル) | ○ | - |
マグネシウム合金 | ○(フロント、トップ、リア) | ○(フレーム) |
幅 | 136.9mm | 138.5mm |
高さ | 97.3mm | 98.1mm |
奥行き | 91.6mm | 87.4mm |
重さ | 579g | 645g |
総重量 | 658g | 725g |
バッテリー | DMW-BLF19 | |
インターフェイス | USB3.0(マイクロB)、HDMI(タイプA)、3.5mm外部マイク、フラッシュシンクロ端子 | USB3.1 GEN1 Type-C、HDMI(タイプA)、3.5mm外部マイク、フラッシュシンクロ端子 |