共通の特徴
- 「EOS Kiss X9」と「D5600」はどちらも、小型軽量化を重視したデジタル一眼レフカメラです。イメージセンサーにはAPS-Cサイズのセンサーを搭載し、クラスは入門向けのエントリークラスになっています。「D5600」の前モデル「D5500」は、バリアングル液晶モニター搭載のデジタル一眼レフカメラで世界最小・最軽量を実現していたカメラで(2015年1月6日時点)、「D5600」はサイズそのままに質量が5g増えたアップグレード機です。「EOS Kiss X9」は、「D5600」と「D5500」よりさらに小型軽量化された、現時点(2017年6月28日時点)の可動式モニター搭載のデジタル一眼レフカメラで世界最軽量を実現したカメラです。
外観・デザインの違い
- 【アイセンサー】
「D5600」は、「EOS Kiss X9」より高さが4.4mm大きくなっていますが、「D5600」は背面の光学ファインダー上部に「アイセンサー」が設置されています。ファインダー撮影時は液晶モニター表示をOFFにし、目を離すと瞬時に撮影した画像を液晶モニターに表示することができます。また、タッチパネルの誤動作も防止できます。 - 【厚み】
「EOS Kiss X9」は「D5600」より厚みが0.2mm薄くなっています。しかし、厚みの違いは内蔵フラッシュを搭載したペンタ部分の違いによるものだと思われるので、実質的なボディの厚みはほぼ同じになっています。 - 【光学ファインダー】
「EOS Kiss X9」は倍率が約0.87倍の光学ファインダーを搭載していますが、「D5600」は約0.82倍です。「EOS Kiss X9」のほうがファインダー撮影時に被写体をより大きな見た目で確認できます。どちらも視野率は約95%です。 - 【内蔵マイクの位置】
「EOS Kiss X9」は内蔵マイクが正面のペンタ部の左右に搭載されていますが、「D5600」は上部の外付けフラッシュを取り付けるアクセサリーシュー部分に搭載されています。 - 【サイズ】
「EOS Kiss X9」は「D5600」より、幅が1.6mm、高さが4.4mm、奥行きが0.2mm、重さが9g、小さく軽くなっています。「EOS Kiss X9」は可動式モニター搭載のデジタル一眼レフカメラで世界最軽量なだけでなく、最小にもなっていると思われます。固定式モニター搭載のデジタル一眼レフカメラで世界最小・最軽量なのは「EOS Kiss X9」の前モデル「EOS Kiss X7」です。
機能・性能の違い
- 【ライブビュー時のオートフォーカス性能】
「D5600」はコントラストAFのみの対応ですが、「EOS Kiss X9」は「デュアルピクセルCMOS AF」と呼ばれる「像面位相差AF」に対応しています。「EOS Kiss X9」は「APS-Cサイズ相当の撮像素子を搭載したレンズ交換式デジタルカメラの撮像面位相差AFにおいて」世界最速となる0.03秒のオートフォーカススピードを実現しています。 - 【光学ファインダー時のオートフォーカス性能】
「EOS Kiss X9」はAF測距点が9点ですが、「D5600」は39点です。また、高精度なオートフォーカスが可能なクロス測距点は、「EOS Kiss X9」が中央の1点のみなのに対し、「D5600」は最大9点です。「D5600」のほうが快適なオートフォーカス性能を実現していると思われます。 - 【静音撮影】
「EOS Kiss X9」と「D5600」はどちらも静音撮影に対応していますが、「EOS Kiss X9」は静音撮影(ソフト撮影)で2.5コマ/秒の連写が可能です。 - 【画質】
「D5600」はローパスフィルターレス仕様のイメージセンサーを搭載しているので、解像力が「EOS Kiss X9」より優れていると思われます。しかし、ローパスフィルターは偽色やモアレを抑制する役割を持っているので、場合によっては「D5600」は偽色やモアレが「EOS Kiss X9」より出やすい可能性があります。 - 【動画性能】
「EOS Kiss X9」と「D5600」はどちらもフルHD(1920x1080) 60pの動画撮影に対応していますが、「EOS Kiss X9」は「デュアルピクセルCMOS AF」に対応しているので動画時のオートフォーカスが「D5600」より優れていると思われます。 - 【バッテリーライフ】
「EOS Kiss X9」は撮影可能枚数が650枚ですが、「D5600」は970枚です。「D5600」はより多くの写真が光学ファインダー時に撮影できます。
どちらが買いか?
- コストパフォーマンスを最優先する場合は「EOS Kiss X9」だと思います。「D5600」は発売から8ヶ月ほど経過した時点で販売価格が7万8000円前後ですが、「EOS Kiss X9」は予約の時点で6万5000円前後です。ライブビュー時のパフォーマンスや世界最軽量のボディなど魅力的なスペックを持ったエントリーモデルです。
- 金銭的に余裕がある場合は「D5600」がオススメです。光学ファインダー時のオートフォーカス性能が高く、ローパスフィルターレス仕様の画質は中級機や上位機に迫るほどの高画質を実現しています。しかし、ライブビュー時はコントラストAFのみなのでAF速度は気になる場合があるかもしれません。
キヤノン CANON
製品名 | キヤノン EOS Kiss X9 | ニコン D5600 |
---|---|---|
発売日 | 2017年7月28日 | 2016年11月25日 |
価格 | 6万5000円前後 | 7万8000円前後 |
シリーズ | EOS(イオス) Kissシリーズ | D5000シリーズ |
マウント | キヤノンEF系マウント | ニコンF系マウント |
センサー | APS-C(22.3×14.9mm CMOS) | APS-C(23.5×15.6mm CMOS) |
ローパスフィルター | ○ | レス仕様 |
画像処理エンジン | DIGIC 7 | EXPEED 4 |
総画素数 | 未公開 | 2478万画素 |
有効画素数 | 2420万画素 | 2416万画素 |
最大記憶画素数 | 6000x4000px | |
ISO | 100-25600 | |
拡張ISO | 51200 | |
連写 | 5コマ/秒、ソフト連続撮影:2.5コマ/秒 | 5コマ/秒 |
連続撮影可能コマ数 | RAW:約6枚、RAW+JPEG(ラージ/ファイン):約6枚、JPEG(ラージ/ファイン):Full | RAW(12bit):約17枚、RAW(14bit):約11枚、JPEG:約100枚 |
AF方式 | 位相差AF、デュアルピクセルCMOS AF(像面位相差AF、コントラストAF) | 位相差AF、コントラストAF |
測距点 | 9点(中央はF5.6対応クロス) | 39点(クロス:最大9点) |
測距輝度範囲 | ファインダー時:EV-0.5~18、ライブビュー時:EV-2~18 | ファインダー時:EV-1~19 |
ファインダー | ペンタダハミラー (視野率95%/倍率0.87倍) | ペンタミラー (視野率95%/倍率0.82倍) |
モニター | 3インチ (104万ドット) | 3.2インチ (104万ドット) |
シャッタースピード | 1/4000-30秒 | |
電子先幕シャッター | ||
電子シャッター | ||
サイレントシャッター | ソフト撮影 | 静音撮影 |
バルブ撮影 | ○ | |
セルフタイマー | 2、10秒 | 2、5、10、20秒 |
撮影枚数 | ファインダー時:650枚、ライブビュー時:260枚 | ファインダー時:970枚 |
RAW | 14bit | 12bit、14bit |
JPEG | ○ | |
TIFF | ||
RAW+JPEG | ○ | |
動画 | フルHD(1920x1080) 60p | |
ハイフレームレート | ||
ファイル形式 | MP4、MOV(タイムラプス時) | MOV |
映像圧縮方式 | MPEG-4 AVC/H.264 可変(平均)ビットレート方式 | H.264/MPEG-4 AVC |
音声記録方式 | AAC、内蔵ステレオマイク | リニアPCM、内蔵ステレオマイク |
手ぶれ補正 | - | |
内蔵フラッシュ | ○ | |
防塵防滴仕様 | - | |
ゴミ取り機能 | ○ | |
ライブビュー | ○ | |
可動式モニター | バリアングル | |
pictbridge | ○ | |
水準器 | ||
タッチパネル | ○ | |
顔認識 | ○ | |
英語対応 | ○ | |
Wi-Fi | ○ | |
NFC | ○ | |
GPS | - | |
Bluetooth | ○ | |
USB給電 | ||
メモリーカード | SDXC UHS-I | |
幅 | 122.4mm | 124mm |
高さ | 92.6mm | 97mm |
奥行き | 69.8mm | 70mm |
重さ | 406g | 415g |
総重量 | 453g | 465g |
バッテリー | LP-E17 | EN-EL14a |
インターフェイス | USB2.0、HDMIミニ(タイプC) |