「SIGMA fp」の「fp」は「fortissimo pianissimo」に由来します。「fortissimo」は「最も強く」、「pianissimo」は「とてもソフト」を意味し、どちらも音楽用語です。
外観・デザイン
- 【サイズ】
「SIGMA fp」は「sd Quattro H」より、幅が34.4mm、高さが25.2mm、厚みが45.5mm、質量が255g、小さく軽くなっています。「SIGMA fp」はフルサイズミラーレスカメラで世界最小・最軽量の「ポケッタブル・フルフレーム」を実現しています。 - 【コンセプト】
「SIGMA fp」は、「Pocketable Full-frame(ポケッタブル・フルフレーム)」「Scalable(変幻自在の拡張性)」「Seamless(本格的で自在な撮影機能)」の3つが開発コンセプトになっています。「SIGMA fp」は様々なアクセサリーを利用することで、グリップやホットシューなどを装着することができます。 - 【構造】
「SIGMA fp」はミラーレス用のマウント「ライカLマウント」を採用していますが、「sd Quattro/H」は一眼レフ用のマウント「シグマSAマウント」です。一眼レフはカメラ内にミラーボックスを設置するため、一眼レフ用のマウントは、フランジバック(レンズを取り付けるマウント部分からセンサーまでの距離)を長めに空けることで最適な画像が得られるように設計されています。「sd Quattro/H」は一眼レフ用のマウントを採用したミラーレス機なので、フランジバックのスペースを確保するために長めのマウント部になっています。 - 【ファインダー】
「sd Quattro/H」は電子ビューファインダーが搭載されていますが、「SIGMA fp」は非搭載です。「SIGMA fp」は恐らく外部アクセサリーでファインダーに対応すると思います。
機能・特徴
- 【イメージセンサー】
「SIGMA fp」は一般的な「ベイヤー構造」のセンサーを搭載していますが、「sd Quattro/H」は「Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー」です。「ベイヤー構造」のセンサーは、色を取り込むためにカラーフィルターを配置して、足りない色情報は補完処理(デモザイク処理)によって補っています。それに対し、「Foveon(フォビオン)」は3層で全ての色情報を取り込む構造です。カラーフィルターや補完処理が必要なく、色再現性が優れ、ローパスフィルターが必要ないので解像度が高く、モアレが発生しない画像を撮影できます。しかし、「Foveon」は、画像処理時間や高感度性能が「ベイヤー構造」のセンサーよりも大きく劣っています。 - 【センサーサイズ】
「SIGMA fp」はフルサイズセンサー(35.9×23.9mm)を搭載していますが、「sd Quattro H」はAPS-Hサイズ(26.7×17.9mm)、「sd Quattro」はAPS-Cサイズ(23.4×15.5mm)です。「SIGMA fp」はより大型のイメージセンサーを搭載することで、高感度性能や階調表現、ボケ表現など画質面でメリットがあります。 - 【シャッター】
「sd Quattro/H」はメカシャッターが搭載されていますが、「SIGMA fp」は非搭載です。「SIGMA fp」は電子シャッターのみで撮影を行い、シャッター音やシャッターショックを抑えることができますが、フラッシュ同調速度は1/30秒以下です。「sd Quattro/H」は1/180秒以下です。 - 【動画機能】
「SIGMA fp」はシネマ向けの動画機能が搭載されていますが、「sd Quattro/H」は動画機能に非搭載です。「SIGMA fp」は動画のRAWデータ「12bit Cinema DNGフォーマット」を外部記録することができます。
「SIGMA fp (エフ・ピー)」と「SIGMA sd Quattro H (エス・ディー・クワトロ・エイチ)」のスペック違いを比較
製品名 | シグマ SIGMA fp | シグマ SIGMA sd Quattro/H |
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発売日 | 2019年10月25日 | sd Quattro H:2016年12月20日、sd Quattro:2016年07月07日 |
予想価格 | 22万円前後 | sd Quattro H:13万円前後、sd Quattro:8万円前後 |
シリーズ | sd fpシリーズ | sd Quattro(クアトロ)シリーズ |
マウント | ライカL系マウント | シグマSA系マウント |
センサー | フルサイズ(35.9×23.9mm 裏面照射型ベイヤーCMOS) | sd Quattro H:APS-H(26.6×17.9mm Foveon X3 CMOS)、sd Quattro:APS-C(23.4×15.5mm Foveon X3 CMOS) |
ダスト除去機能 | 未確認 | ○ |
画素数 | 2530万総画素/2460万有効画素 | sd Quattro H:4470万総画素/3860万有効画素、sd Quattro:3320万総画素/2950万有効画素 |
最大記憶画素数 | 6000×4000px | sd Quattro H:8768×3752px、sd Quattro:7680×3296px |
クロップ機能 | ○ | sd Quattro Hが対応。sd Quattroと同じサイズにクロップ可 |
ローパスフィルター | レス仕様 | |
ISO | 常用:100~25600、拡張:6~102400 | 常用:100~6400 |
連写 | 18コマ/秒 | sd Quattro H:6.2コマ/秒、sd Quattro:4.3コマ/秒 |
オートフォーカス方式 | コントラストAF | コントラストAF、像面位相差AF |
測距点 | 49点 | 9点 |
測距輝度範囲 | -5~18EV | -1~18EV |
顔認識 | ○ | |
瞳AF | 瞳優先に対応 | |
電子式ビューファインダー | sd Quattro H:EVF (236万ドット/視野率100%/倍率0.96倍)、sd Quattro:EVF (236万ドット/視野率100%/倍率1.10倍) | |
モニター | 3.15インチ (210万ドット)、タッチパネル対応 | 3インチ (162万ドット) |
可動式モニター | 固定式 | |
シャッタースピード | 電子:1/8000~30秒、バルブ撮影 | メカ:1/4000~30秒、バルブ撮影(最大2分) |
サイレントシャッター | 無音に近い撮影が可能 | |
フラッシュ同調速度 | 1/30秒以下、シンクロ端子あり | 1/180秒以下、シンクロ端子あり |
RAW | ロスレス圧縮RAW(DNG) 14/12bit | ロスレス圧縮RAW(X3F/X3I) 14/12bit、無圧縮RAW(DNG) 12bit |
JPEG、RAW+JPEG | ○ | |
動画機能 | CinemaDNG(12/10/8bit)、4K UHD 24fps 12bit | なし |
ファイル形式 | MOV:H.264(ALL-I/GOP)、リニアPCM(2ch 48kHz/16bit) | |
手ブレ補正 | 電子式 | |
内蔵フラッシュ | ||
防塵防滴仕様 | ○(42ヶ所のシーリング、アルミニウム合金、ヒートシンク構造体) | |
水準器 | 未確認 | ○ |
英語対応 | ○ | |
Wi-Fi | ||
NFC | ||
GPS | ||
Bluetooth | ||
その他 | HDR撮影、Cinemagraph機能、ティールアンドオレンジ、Fill Light(SIGMA Photo Proの機能)、トーンカーブ、ストラップホルダはネジ式 | |
外部ストレージ | SDXC UHS-II、ポータブルSSD(バスパワー対応) | SDXC |
ホットシュー | (ホットシューユニット HU-11が必要) | ○ |
幅 | 112.6mm | 147mm |
高さ | 69.9mm | 95.1mm |
奥行き | 45.3mm | 90.8mm |
重さ | 370g、総重量:422g | sd Quattro H:635g、sd Quattro:625g |
バッテリー | BP-51 | BP-61 |
インターフェイス | USB Type-C、HDMI(タイプD)、外部マイク | USB3.0、HDMIミニ(タイプC) |