「EOS Kiss X10」と「EOS Kiss M」の違い

「EOS Kiss X10」は2019年4月10日に発表されたキヤノンのデジタル一眼レフカメラです。ミラーレスカメラの「EOS Kiss M」(2018年3月23日発売)と外観・スペックを比較してみました。「EOS Kissシリーズ」は、キヤノンの入門向けレンズ交換式カメラに使用されるシリーズです。

「EOS Kiss X10」は「キヤノンEFマウント」、「EOS Kiss M」は「キヤノンEF-Mマウント」を採用しています。形状が異なるのでレンズをそのまま使うことはできませんが、「キヤノンEFレンズ」はマウントアダプターを装着して「EOS Kiss M」で使用できます。その逆に、「EOS Kiss X10」で「キヤノンEF-Mレンズ」は使用できません。

• 【カメラ構造】
  「EOS Kiss X10」はデジタル一眼レフカメラ構造に対し、「EOS Kiss M」はミラーレスカメラです。デジタル一眼レフカメラは内部に光を反射するレフ(ミラーボックス)が設置され、レンズを通った光をリアルタイムで見ることができる光学ファインダーを搭載しています。ミラーレスカメラはレフが設置されておらず、ファインダーが搭載されている場合は、イメージセンサーが捉えた画像を表示する電子ビューファインダーになっています。
• 【サイズ】
  「EOS Kiss X10」は「EOS Kiss M」より、幅が6.1mm、高さが4.5mm、厚みが11.1mm、質量が51g、大きく重くなっています。「EOS Kiss M」は内部にミラーボックスを設置しない「ショートフランジバック」設計で作られたミラーレス構造なのでボディを小型軽量化することができ、特に厚みは一眼レフよりも大幅な薄型化を実現しています。
• 【ファインダー】
  「EOS Kiss X10」のファインダーは光学式に対し、「EOS Kiss M」は電子式です。光学ファインダーはレンズを通って鏡に反射した光を遅延なく、そのままの自然な見え方で見ることができます。電子ビューファインダーは露出などの設定をファインダー映像に反映させることができ、暗い場所でも見やすい表示が可能です。

• 【オートフォーカス】
  「EOS Kiss X10」はファインダー時に「位相差AF」・ライブビュー時に「デュアルピクセルCMOS AF」を使用しますが、「EOS Kiss M」はファインダー＆ライブビュー時どちらも「デュアルピクセルCMOS AF」です。「デュアルピクセルCMOS AF」は、「位相差AF」のように高速オートフォーカスが可能な「像面位相差AF」の名称で、現在では「位相差AF」に勝るとも劣らないほど追従性に優れた素早いピント合わせでオートフォーカスが可能です。
• 【サイレントモード】
  「EOS Kiss X10」はシャッター音を抑えた「ソフト撮影」が利用できますが、「EOS Kiss M」は無音の「サイレントモード」で撮影可能です。
• 【バッテリーライフ】
  「EOS Kiss X10」はファインダー撮影時に約1630コマ(ストロボ撮影なし)・約1070コマ(50％ストロボ撮影)の撮影可能枚数ですが、「EOS Kiss M」は約235コマです。「EOS Kiss X10」は省電力性に優れた光学ファインダーで一日中撮影することができます。
• 【手ブレ補正】
  「EOS Kiss M」は、対応するレンズ内手ブレ補正搭載のレンズを装着した場合に、レンズのジャイロセンサーでのブレ検出とCMOSセンサーの画像情報からのブレ検出を利用して、より手ブレ補正性能を強化する「デュアルセンシングIS」に対応しています。動画撮影時にはボディ内の電子手ブレ補正が利用できます。

製品名	キヤノン EOS Kiss X10	キヤノン EOS Kiss M
発売日	2019年04月25日	2018年03月23日
価格	7万円台
シリーズ	EOS(イオス) Kissシリーズ
カメラ構造	一眼レフカメラ	ミラーレスカメラ
マウント	キヤノンEF系マウント	キヤノンEF-M系マウント
センサー	APS-C(22.3×14.9mm CMOS)
ローパスフィルター	○(予想)
ダスト除去機能	○
画像処理エンジン	DIGIC 8
画素数	2410万有効画素
最大記憶画素数	6000x4000px
ISO	常用:100-25600、拡張:51200
連写	約5コマ/秒、ライブビューのサーボAF時:約3.5コマ/秒	ワンショットAF時:約10コマ/秒、サーボAF時:約7.4コマ/秒
連続撮影可能コマ数	RAW:約10枚、RAW+JPEGラージ／ファイン:約9枚、JPEGラージ／ファイン:Full	RAW:約10枚、RAW+JPEGラージ／ファイン:約10枚、JPEGラージ／ファイン:約33枚
オートフォーカス方式	ファインダー時:位相差AF、ライブビュー時:デュアルピクセルCMOS AF	デュアルピクセルCMOS AF(像面位相差AF、コントラストAF)
OVF時の測距点	9点(中央1点はF5.6対応クロス)
LCD時の測距点(Kiss MはEVFも含め)	対応レンズ時:143点(横約88％、縦約100％)、99点(横約80％、縦約80％)
測距輝度範囲	ファインダー時:EV-0.5～18、ライブビュー時:EV-4～18	EV-2～18
測光分割数	384
ファインダー	ペンタダハミラー (視野率95％／倍率0.87倍／アイポイント約19mm)	カラー電子ビューファインダー0.39型 (236万ドット／視野率100％／アイポイント約22mm)
モニター	3インチ (104万ドット)
タッチパネル	○	○(タッチ＆ドラッグAF対応)
可動式モニター	バリアングル
シャッタースピード	1/4000-30秒
電子先幕シャッター
電子シャッター		○
ストロボ同調速度	1/200秒
バルブ撮影	○
サイレントシャッター	ソフト連続撮影(無音ではありません):約2.5コマ/秒	○(サイレントモード)
AF機能	スポット1点(1点AFより狭い範囲でオートフォーカス可)、1点AF時に最大3975ポジションからAFフレームを選択可能
顔認識	○
瞳AF	ライブビュー時:○(ワンショットAF／サーボAF(被写体の自動追従)／動画サーボAF対応)	「ONE SHOT」「顔＋追尾優先AF」時に対応
ピーキング	未確認	○
セルフタイマー	10秒、リモコン撮影 2秒
撮影可能コマ数(ストロボなし)	静止画:約1630枚(OVF) 約350枚(LCD)、動画:約2時間30分(LCD)	静止画:約235枚(EVF＆LCD)、動画:約1時間25分(EVF＆LCD)
RAW	14bit(.CR3、C-RAW、RAW画像のHDR出力)
JPEG、RAW＋JPEG	○
TIFF
動画	4K(3840x2160) 25/24p 120Mbps、フルHD(1920x1080) 60p 60Mbps
4K動画仕様	センサー中央部をクロップ、コントラストAFのみ、4Kフレーム切り出し対応
スローモーション動画		120p(1280x720)
ファイル形式	MP4
映像圧縮方式	MPEG-4 AVC／H.264 可変(平均)ビットレート方式
音声記録方式	AAC、ステレオマイク内蔵	MPEG-4 AAC-LC、ステレオマイク内蔵
タイムラプス	○(4Kに対応)
ボディ内手ぶれ補正		デュアルセンシングIS、動画時:電子手ブレ補正(コンビネーションIS対応)、流し撮り
内蔵フラッシュ	○(手動ポップアップ／リトラクタブル式)	○(手動ポップアップ)
防塵防滴仕様
pictbridge		○
水準器		○(2軸)
英語対応	○
Wi-Fi	IEEE 802.11 b/g/n
NFC		○
GPS
Bluetooth	○
ビジュアルガイド	○
ホワイトバランス「雰囲気優先、ホワイト優先」	○
シーンインテリジェントオート	○
オートライティングオプティマイザ	○(自然に画像を自動補正)
カメラ内RAW現像	○(予想)	○
クリエイティブ	クリエイティブアシスト、クリエイティブフィルター(動画時も可)	クリエイティブオート、クリエイティブフィルター
レンズ光学補正	色収差補正、周辺光量補正、回折補正、歪曲収差補正、カメラ内デジタルレンズオプティマイザ(レンズ補正)
USB充電／給電
メモリーカード	SDXC UHS-I シングルスロット
幅	122.4mm	116.3mm
高さ	92.6mm	88.1mm
奥行き	69.8mm	58.7mm
質量	402g(ブラック＆シルバー)、404g(ホワイト)	351g(ブラック)、354g(ホワイト)
総重量	449g(ブラック＆シルバー)、451g(ホワイト)	387g(ブラック)、390g(ホワイト)
カラー	ブラック、ホワイト、シルバー	ブラック、ホワイト
バッテリー	LP-E17	LP-E12
ホットシュー／アクセサリーシュー	○
シンクロ端子
外部マイク	○
インターフェイス	マイクロUSB、HDMI(ミニ／タイプC)	マイクロUSB、HDMI(ミニ／タイプD)