EOS 5Dシリーズはプロフェッショナルモデルの下位にあたるハイアマチュアモデルで、普及価格帯の35mmフルサイズセンサーを搭載したキヤノンの代表的なカメラシリーズです。キヤノンはフィルムカメラの時代から中級機に「5」という数字を使用しており、EOS 5Dシリーズはデジタル時代の中級機になります。
カメラの違い
- 2005年9月28日に初代の「EOS 5D」が発売されました。キヤノンの普及型デジタル一眼レフカメラで初の35mmフルサイズセンサーを搭載したカメラです。当時はプロフェッショナル機のみ搭載されていた35mmフルサイズセンサーを搭載し、価格も38万円前後という当時としては安く画期的なカメラで市場を開拓しました。
- 2008年11月29日には後継モデルとして「EOS 5D Mark II」が発売されました。「EOS 5D Mark II」はキヤノンのデジタル一眼レフカメラで初の動画撮影機能(フルHD)を搭載したカメラです。ライブビュー撮影も可能になり、使い勝手はかなり向上しました。画素数は1280万画素から2110万画素に大幅に増え、ノイズ耐性などトータルで画質が向上しています。
- 2012年3月22日には「EOS 5D Mark III」が発売されます。「EOS 5D Mark II」を正常進化させた後継機で、全体的な機能をバランスよく向上させています。画素数はあまり変わりませんが高感度性能が向上し、連写、ファインダー性能、オートフォーカス性能、モニター解像度などがアップしています。メモリーカードはCFカードだけでなく、SDカードにも対応するようになりました。完成度が高かった「EOS 5D Mark II」をさらに磨き上げたカメラです。
- 2015年6月18日には派生モデルの「EOS 5Ds」と「EOS 5Ds R」が発売されます。カメラボディの外観はEOS 5Dシリーズと変わりませんが、EOS 5Dシリーズのようにバランスを追求したカメラではなく画質を追求したカメラです。画素数は35mmフルサイズで世界最高の5060万画素で、超高画素を実現しています。ローパスフィルター効果ありの「EOS 5Ds」と、ローパスフィルター効果をキャンセルした「EOS 5Ds R」の2台が同時に発売されました。ローパスフィルターは偽色やモアレを抑制してくれますが、解像度が少しだけ失われます。「EOS 5Ds R」は解像度を最優先したカメラです。
- 2016年8月25日には最新の「EOS 5D Mark IV」が発表されました。「EOS 5D Mark III」の後継機で、プロフェッショナルモデル「EOS-1D X Mark II」に採用されている技術を取り入れたカメラです。画質・高感度性能・AF性能・連写性能が向上し、Wi-Fi・NFC・GPSを搭載しています。「EOS 5D Mark IV」はライブビューや動画撮影機能が特に向上し、デュアルピクセル CMOS AFや4K動画、タッチパネルなど快適な撮影ができます。「デュアルピクセルRAW」というキヤノン初の技術も搭載されています。価格は「EOS 5D Mark III」より十万以上高くなったため、高性能・高級志向のユーザーをターゲットにしたと思われます。
どれが買いか?
- 「EOS 5D」と「EOS 5D Mark II」は生産終了になっており、「EOS 5D Mark IV」はまだ発売されていないので、「EOS 5D Mark III」が買いだと思います。派生モデルを除いたEOS 5Dシリーズは正常進化するのが基本ですので、価格以外の面で前モデルを選択する必要はないと思います。しかし、「EOS 5D Mark II」は今でも十分な性能を持ったカメラですので、オークションや中古市場で購入するのもいいと思います。状態によっては10万円以下で購入できることもありますので価格を抑えたい場合はあえて「EOS 5D Mark II」を選択するのもいいと思います。
- とにかく高画質を追求したい場合は「EOS 5Ds」と「EOS 5Ds R」がオススメです。5060万画素はクロップ撮影しても通常のカメラより多い画素数で撮影できます。1.3倍では約3050万画素、1.6倍では約1960万画素で撮影可能することができるので擬似的にマクロ撮影や望遠撮影ができます。しかし価格は非常に高く、「EOS 5Ds」は40万円前後、「EOS 5Ds R」はさらに2万円ほど高くなります。
- 価格が「EOS 5Ds」や「EOS 5Ds R」並みになってしまいましたが、「EOS 5D Mark IV」は間違いなく買いのカメラだと思います。プロ機の「EOS-1D X Mark II」と同じAFセンサーを搭載しているためオートフォーカス性能は非常に期待できます。画素数は3000万画素台になり、画像処理エンジンも「EOS-1D X Mark II」と同じ「DIGIC 6+」です。フリッカーレス撮影やデュアルピクセルCMOS AF、4K動画やスローモーション動画など、小さな「EOS-1D X Mark II」と言えるほどハイスペックを実現しています。
キヤノン 2012-03-22
製品名 | キヤノン EOS 5D Mark IV | キヤノン EOS 5D Mark III | キヤノン EOS 5D Mark II | キヤノン EOS 5D |
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発売日 | 2016年09月08日 | 2012年03月22日 | 2008年11月29日 | 2005年09月28日 |
価格 | 42万円前後 | 29万円前後 | - | |
シリーズ | EOS(イオス) 5Dシリーズ | |||
マウント | キヤノンEF系マウント | |||
センサー | フルサイズ(36×24mm CMOS) | フルサイズ(35.8×23.9mm CMOS) | ||
ローパスフィルター | ○ | |||
クロップ機能 | ||||
画像処理エンジン | DIGIC 6+ | DIGIC 5+ | DIGIC 4 | DIGIC II |
測光センサー | 15万画素RGB+IR測光センサー | 縦2層構造の63分割デュアルレイヤー測光センサー | ||
フリッカーレス撮影 | ○ | - | ||
総画素数 | 2340万画素 | 2200万画素 | 1330万画素 | |
有効画素数 | 3040万画素 | 2230万画素 | 2110万画素 | 1280万画素 |
最大記憶画素数 | 6720×4480px | 5760×3840px | 5616×3744px | 4368×2912px |
ISO | 100~32000 | 100~25600 | 100~6400 | 100~1600 |
拡張ISO | 50~102400 | 50~25600 | 50~3200 | |
連写 | 7コマ/秒 | 6コマ/秒 | 3.9コマ/秒 | 3コマ/秒 |
AF測距点 | 61点 | 9点+アシスト6点 | 15点 | |
AF方式 | 位相差AF、像面位相差AF、コントラストAF | 位相差AF、コントラストAF | 位相差AF | |
ファインダー | ペンタプリズム (視野率100%/倍率0.71倍) | ペンタプリズム (視野率98%/倍率0.71倍) | ペンタプリズム (視野率96%/倍率0.71倍) | |
フォーカシングスクリーンの交換 | ○ | |||
モニター | 3.2インチ (162万ドット) | 3.2インチ (104万ドット) | 3インチ (92万ドット) | 2.5インチ (23万ドット) |
シャッタースピード | 1/8000~30秒 | |||
電子先幕シャッター | ○ | |||
セルフタイマー | 2、10秒 | 10秒 | ||
撮影枚数(ファインダー時) | 900枚 | 950枚 | 850枚 | 800枚 |
撮影枚数(ライブビュー時) | 300枚 | 200枚 | - | |
RAW | 14bit | 12bit | ||
JPEG | ○ | |||
RAW+JPEG | ○ | |||
動画 | 4K (4096×2160) 30p、フルHD (1920×1080) 60p | フルHD (1920×1080) 30p | - | |
ハイフレームレート | HD (1280×720) 119.9fps | - | ||
ファイル形式 | MOV、MP4 | MOV | - | |
映像圧縮方式 | 4K:Motion JPEG、フルHD/HD:MPEG-4 AVC/H.264可変(平均) | MPEG-4 AVC/H.264 可変(平均)ビットレート方式 | H.264 | - |
音声記録方式 | MOV:リニアPCM、MP4:AAC | リニアPCM | - | |
手ぶれ補正 | - | |||
内蔵フラッシュ | - | |||
防塵防滴仕様 | ○ | |||
ゴミ取り機能 | ○ | |||
ライブビュー | ○ | - | ||
可動式モニター | 固定式 | |||
水準器 | ○ | |||
タッチパネル | ○ | - | ||
顔認識 | ○ | |||
バルブ撮影 | ○ | |||
Wi-Fi | ○ | - | ||
NFC | ○ | - | ||
GPS | ○ | - | ||
SDカード | ○ | - | ||
SDHCカード | ○ | - | ||
SDXCカード | ○ | - | ||
CFカード | ○ | |||
幅 | 150.7mm | 152mm | ||
高さ | 116.4mm | 113.5mm | 113mm | |
奥行き | 75.9mm | 76.4mm | 75mm | |
重さ | 800g | 860g | 810g | |
総重量 | 890g | 950g | 905g | |
バッテリー | LP-E6N、LP-E6 | LP-E6 | BP-511A | |
インターフェイス | USB3.0、HDMIミニ出力端子 | USB2.0、HDMIミニ出力端子 | USB2.0 |
キヤノン 2015-06-18
製品名 | キヤノン EOS 5Ds | キヤノン EOS 5Ds R |
---|---|---|
発売日 | 2015年06月18日 | |
価格 | 40万円前後 | 42万円前後 |
シリーズ | EOS(イオス) 5Dシリーズ | |
マウント | キヤノンEF系マウント | |
センサー | フルサイズ(36×24mm CMOS) | |
ローパスフィルター | ○ | × |
クロップ機能 | ○(1.3倍、1.6倍) | |
フリッカーレス撮影 | ○ | |
画像処理エンジン | デュアルDIGIC 6 | |
総画素数 | 5300万画素 | |
有効画素数 | 5060万画素 | |
最大記憶画素数 | 8688×5792px | |
ISO | 100~6400 | |
拡張ISO | 50~12800 | |
連写 | 5コマ/秒 | |
測距点 | 61点 | |
AF方式 | 位相差AF、コントラストAF | |
ファインダー | ペンタプリズム (視野率100%/倍率0.71倍) | |
フォーカシングスクリーンの交換 | ||
モニター | 3.2インチ (104万ドット) | |
シャッタースピード | 1/8000~30秒 | |
電子先幕シャッター | ○ | |
セルフタイマー | 2、10秒 | |
撮影枚数 | 700枚 | |
RAW | ○ | |
JPEG | ○ | |
RAW+JPEG | ○ | |
動画 | フルHD (1920×1080) 29.97p | |
ハイフレームレート | - | |
ファイル形式 | MOV | |
映像圧縮方式 | MPEG-4 AVC/H.264 | |
音声記録方式 | リニアPCM | |
手ぶれ補正 | - | |
内蔵フラッシュ | - | |
防塵防滴仕様 | ○ | |
ゴミ取り機能 | ○ | |
ライブビュー | ○ | |
可動式モニター | - | |
pictbridge | ○ | |
HDR | ○ | |
多重露光 | ○ | |
水準器 | ○ | |
タッチパネル | - | |
顔認識 | ○ | |
英語対応 | ○ | |
バルブ撮影 | ○ | |
Wi-Fi | - | |
NFC | - | |
GPS | - | |
SDカード | ○ | |
SDHCカード | ○ | |
SDXCカード | ○ | |
CFカード | ○ | |
幅 | 152mm | |
高さ | 116.4mm | |
奥行き | 76.4mm | |
重さ | 845g | |
総重量 | 930g | |
バッテリー | LP-E6N、LP-E6 | |
インターフェイス | USB3.0、HDMIミニ出力端子 |