「GH5S」と「GH5」の違い


パナソニック(Panasonic)

パナソニック「LUMIX DC-GH5S (lumix gh5s)」と「LUMIX DC-GH5 (lumix gh5)」の違いを比較しました。

「GH5S」は2018年1月8日に発表された「GH5」(2017年3月発売)の派生モデルです。日本国内では2018年1月11日に発表されました。「GH5」は動画機能を中心としたフラッグシップ機でしたが、「GH5S」はさらに動画志向のプロ映像制作者向けにモデルチェンジされています。「GH5」(2030万画素)は高解像度重視、「GH5S」(1028万画素)は高感度重視の設計です。「GH5S」と「GH5」の外観とスペックを比較してみました。「GH5S」の「S」は、「Sensitivity(優れた高感度性能)」や「Special(特別な仕様)」という意味を持っています。

「GH5」は「LUMIX GHシリーズ」の機種です。「LUMIX GHシリーズ」は静止画と”特に動画”を重視したハイブリッドフォトグラフィの「シューティングスタイル」シリーズで、動画と”特に静止画”を重視した「LUMIX G9」と並ぶダブルフラッグシップ体制になっています。「GH5S」はもうひとつの”GH5”としてハイエンド・ハイブリッドミラーレス一眼カメラに位置付けられています。

「GH5S」と「GH5」 1
「GH5S」と「GH5」の正面比較

「GH5S」と「GH5」 2
「GH5S」と「GH5」の背面比較

「GH5S」と「GH5」 3
「GH5S」と「GH5」の上部比較

外観・デザイン
  • 【サイズ】
    「GH5S」と「GH5」はほぼ同じボディが採用されています。異なる箇所は、新たなアイデンティティーとして撮影者のパッションを盛り上げるモードダイヤルの「レッド(赤)ライン」、正面「GH5」の下の赤い「S」ナンバー文字、全体が赤く「REC」文字が追加された録画ボタンです。
  • 【質量】
    「GH5」は本体のみで645gでしたが、「GH5S」は580gです。「GH5S」はボディ内手ブレ補正が非搭載になったことで軽量化された可能性があります。

省略された機能
  • 【ボディ内手ブレ補正】
    「GH5」は5.0段分の強力なボディ内手ブレ補正機能が搭載されていましたが、「GH5S」は非搭載です。「GH5S」は映像揺れに配慮するためにセンサーを固定したためや、三脚やスタビライザー(ジンバル)を使用したプロの本格的な映像制作向けカメラのためにボディ内手ブレ補正が非搭載になったようです。「GH5S」はレンズ内手ブレ補正を活用することで手持ちでもブレを補正して撮影ができます。「GH5」はボディのみでしっかりとブレを抑えることができ、ボディ内手ブレ補正とレンズ内手ブレ補正を組み合わせて補正効果を高める「Dual I.S.2」にも対応しています。「GH5S」には電子手ブレ補正は搭載されており、レンズ内手ブレ補正と組み合わせることも可能です(画角は少し狭くなります)。
  • 【6K PHOTO】
    「GH5」は約18Mの6K解像度(5184×3456)で秒間30コマの撮影ができる「6Kフォト」に対応していましたが、「GH5S」は画素数が少なくなったために非対応です。秒間60コマの「4Kフォト」はどちらも対応しています。

追加した機能
  • 【V-Log】
    「GH5」は「V-Log」を使用するために別途約1万円で購入する必要がありましたが、「GH5S」は最初から標準で搭載されています。
  • 【14bit RAW】
    「GH5S」は12bitの4倍の情報量を持っている14bitのRAWファイルが撮影可能です。「GH5」は12bitまでだと思われます。
  • 【フォトスタイル】
    「GH5S」は、「GH5」では動画撮影時のみ適用可能になっていたフォトスタイル「709ライク」「V-Log L」が、静止画撮影時でも選択可能です。
  • 【ライブブースト】
    「GH5S」はライブビュー時に感度を上げることで暗所でも構図が確認しやすくなる「ライブブースト」機能が搭載されています。
  • 【ナイトモード】
    「GH5S」はファインダーやライブビューの表示を赤色にし、天体撮影時など暗い環境に目を慣らしたまま撮影設定ができる「ナイトモード」が搭載されています。
  • 【タイムコード同期】
    「GH5S」はフラッシュシンクロ端子により、業務用カメラなどの外部機器とタイムコードの同期が可能です。BNC変換ケーブル(TC IN/OUT専用)は同梱されています。
  • 【マイク端子】
    「GH5S」の側面に搭載されている「マイク端子」は、入力に加えてライン入力にも対応しています。

向上した機能
  • 【マルチアスペクトセンサー】
    「GH5S」は「マルチアスペクトセンサー」を搭載することで、アスペクト比を変更した場合でも画角を変えることなく撮影することができます。アスペクト比は「4:3」「3:2」「16:9」「17:9」「1:1」から選択でき、一部は写真だけでなく動画にも対応しています。「マルチアスペクトセンサー」は通常より少し大きなイメージセンサーを搭載することで実現しています。
  • 【画素数と高感度性能】
    「GH5」は2030万画素のセンサーが搭載されていましたが、「GH5S」は新開発された1028万画素センサーです。「GH5S」は画素数を少なくすることで1画素あたりの面積を大きくし、受光量を増やすことで高感度性能を向上しています。セルサイズは「GH5」と比較して約1.96倍に拡大化しました。「GH5」は常用ISO200~25600(拡張ISO100~25600)に対し、「GH5S」は常用ISO160~51200(拡張ISO80-204800)です。読み出し速度は「GH5」と比べて約1.3倍に高速化され、ローリングシャッター歪みが抑えられています。
  • 【デュアルネイティブISOテクノロジー】
    「GH5S」はパナソニックのプロフェッショナル機(業務用カメラ)で使用されている「デュアルネイティブISO」技術が搭載されています。「低ISO感度回路」と「低ノイズ・高ISO感度回路」の2系統を切り換えることで、高感度時にノイズを抑えることが可能です。「GH5S」は「GH5」より、感度特性は約2.4倍、S/N比は約1.5倍に向上しています。「GH5S」は「LUMIX史上最高の高感度画質」と謳われるノイズ耐性や暗所での撮影能力を実現しています。
  • 【動画性能】
    「GH5」はミラーレスカメラで世界初の「4K(3840×2160) 60p」に対応していましたが、「GH5S」はさらに世界初の「シネマ4K(4096×2160) 60p」「4:2:2 10bit シネマ4K 30p」の撮影に対応しています。「GH5」はシネマ4K(4096×2160)では24pまでの動画性能です。どちらのカメラも全記録モードで時間制限がない動画撮影、センサー全域からの読み出しが可能です。
  • 【オートフォーカス性能】
    「GH5」はどれほど暗い場所(または明るい場所)で正確なオートフォーカスができるかを表す「測距輝度範囲」がEV-4~18でしたが、「GH5S」はさらに暗所でも正確なオートフォーカスが可能なEV-5~18になりました。
  • 【顔・瞳AF】
    「GH5S」はディープラーニング技術による「人体認識」機能を搭載したことで、「顔・瞳AF」機能が向上しています。人物の検出にAIを活用することで、後ろや横を向いた場合でもしっかりとピントを合わせることができます。フォーカスを合わせたい人物をタッチするだけで簡単に選択可能です。



製品名パナソニック LUMIX DC-GH5Sパナソニック LUMIX DC-GH5
発売日2018年01月25日2017年03月23日
価格29万円前後22万円前後
シリーズLumix(ルミックス) Gシリーズ
マウントマイクロフォーサーズ系マウント
センサーフォーサーズ(17.3x13mm 4/3型Live MOS)
ローパスフィルター○(予想)レス仕様
画像処理エンジンヴィーナスエンジン
総画素数1193万画素2177万画素
有効画素数1028万画素2030万画素
マルチアスペクト○(4:3、3:2、16:9、17:9、1:1)-
最大記憶画素数3680x27605184×3888px
ISO160~51200200~25600
拡張ISO80-204800100~25600
連写(12bit)12コマ/秒、ライブビュー時:7コマ/秒、AF追従時:8コマ/秒メカニカル/電子シャッター時:12コマ/秒、ライブビュー時:7コマ/秒、AF追従時(メカ/電子):9コマ/秒
連写(14bit)11コマ/秒、ライブビュー時:6コマ/秒、AF追従時:7コマ/秒-
連写連続コマ数RAWを含む連写時:80枚以上、JPEGのみの連写時:600枚以上RAWを含む連写時:60枚、JPEGのみの連写時:600枚
AF方式空間認識AF(コントラストAF)
AF速度記載なし0.05秒
測距点225点
測距輝度範囲-5~18-4~18
ファインダーOLED (368万ドット/視野率100%/倍率0.76[1.52]倍)、アイポイント21mm、120/60fpsで選択可OLED (368万ドット/視野率100%/倍率0.76[1.52]倍)、アイポイント21mm
モニター3.2インチ (162万ドット)
ナイトモード-
ライブビューブースト-
シャッタースピード(メカニカル)1/8000~60秒
電子先幕シャッター1/2000~60秒
電子シャッター1/16000~1秒
サイレントシャッター
バルブ撮影
セルフタイマー2、10秒
撮影枚数モニター:440枚、ファインダー:410枚、省電力ファインダー:1300枚モニター:410枚、ファインダー:400枚、省電力ファインダー:1000枚
RAW○(14bit、12bit)
JPEG
TIFF
RAW+JPEG
動画4K(3840×2160) 60p/50p、Cinema4K(4096×2160) 60p/50p4K(3840×2160) 60p/50p、Cinema4K(4096×2160) 24p
ファイル形式MP4、MP4 HEVC(H.265)、MOV、AVCHD Progressive、AVCHD
動画撮影時間制限なし
スローモーション(ハイスピード)動画240fps(フルHD)180fps(フルHD)
4K HDR動画
ハイブリッドログガンマ(HLG)
HLGによる4K HDR動画
6Kフォト-○(30コマ/秒)
4Kフォト○(60コマ/秒)
4Kライブクロップ
4:2:2 10bit記録SDカード内部記録、C4K/4K 60/50p時はHDMIモニタリングスルー(HDMI出力)で外部レコーダー記録SDカード内部記録、4K 60p時はHDMIモニタリングスルー(HDMI出力)で外部レコーダー記録
C4K 4:2:2 10bit記録CINE 4K 30pまでCINE 4K 24pまで
V-Log○(約1万円で別途購入の必要あり)
LUTアシスト
高ビットレート記録(ALL-Intra圧縮方式)4K 400Mbps(4:2:2 10bit)、フルHD 200Mbps(4:2:2 10bit)
アナモフィックモード
星空AF
ローライトAF
回折補正記載なし
フォーカス合成
波形モニター・ベクトルスコープ表示
フォーカストランジション
709ライク
二ーコントロール
ノイズキャンセリングマイク内蔵
L.モノクローム
輝度レベル設定
システム周波数
フリッカー対策○(シンクロスキャン)
RAW現像
MFアシスト20倍10倍
手ぶれ補正-(動画時のみ電子手ブレ補正に対応)5段分(Dual I.S.2にも対応)
内蔵フラッシュ-
防塵防滴仕様○(マイナス10℃の耐低温設計)
ゴミ取り機能
ライブビュー
可動式モニターバリアングル
pictbridge
水準器
タッチパネル
タッチパッドAF
顔認識○(瞳AFにも対応)、人体認識技術○(瞳AFにも対応)
Wi-Fi
NFC-
GPS-
Bluetooth○(4.2)
SDカードデュアルSDスロットカード(SDXC どちらもUHS-II(U3)対応)
138.5mm
高さ98.1mm
奥行き87.4mm
重さ580g645g
総重量660g725g
バッテリーグリップDMW-BGGH5
バッテリーDMW-BLF19
USB充電/給電-
インターフェイスUSB3.1(タイプC)、HDMIタイプA
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