タムロン「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD」の「Model A025」と「Model A009」の違い


タムロン(Tamron)

タムロン「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A025)」と「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD (Model A009)」の違いを比較しました。

タムロン「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A025)」は約4年3ヶ月ぶりに発売される「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD (Model A009)」の後継レンズです。2008年には初代「SP AF70-200mm F/2.8 Di LD [IF] MACRO (Model A001)」が発売されているので、3世代目のレンズになります。プロの使用率が高い大三元レンズの1本として全体的な機能向上をしているので外観とスペックを比較してみました。

「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A025)」と「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD (Model A009)」 1
「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A025)」と「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD (Model A009)」を「EOS 5D Mark IV」に装着したイメージ画像

「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A025)」と「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD (Model A009)」 2
「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A025)」と「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD (Model A009)」の比較

外観の違い
  • 【デザインの変更】
    新型「Model A025」は「SP」新ラインナップのデザインに変更されており、高品質かつ高精度機構を持った外観になっています。金色のブランドリングは、ルミナスゴールドカラーになってマウント部分に移動されています。フィット感のあるヒューマンタッチのフォルムや、スイッチ部分が大型化、フォントの変更など細部まで拘ったデザインになっています。
  • 【電磁絞り方式に対応】
    旧型「Model A009」は物理的な絞り連動レバーを動作させることで絞りをコントロールしていましたが、新型「Model A025」は電子的に絞りをコントロールする「電磁絞り方式」に変更されています。これにより、安定した絞り駆動が可能です。ニコン用のみの変更で、キヤノン用は旧型「Model A009」から「電磁絞り方式」が採用されています。
  • 【三脚座】
    新型「Model A025」の三脚座はアルカスイス互換のクイックシューに対応するスタイルに新規設計されており、より利便性や安定性が向上しています。
  • 【対応マウント】
    旧型「Model A009」はニコンF、キヤノンEF、ソニーAの3マウントに対応していましたが、新型「Model A025」はニコンFとキヤノンEFのみの対応です。
  • 【少し大型化】
    新型「Model A025」は旧型「Model A009」より、最大径が2.2mm、長さが3mm、質量が30g以上の大型化をしています。(ニコン用の比較です。旧型「Model A009」は質量が着脱式三脚座も含んでいるのでレンズのみの比較は分かりません。)

追加した機能
  • 【テレコンバーターに対応】
    新型「Model A025」は、1.4倍のテレコンバーター「TAMRON TELE CONVERTER 1.4x (Model TC-X14)」と2倍の「TAMRON TELE CONVERTER 2.0x (Model TC-X20)」に対応しています。
  • 【TAMRON TAP-in Console (タップ・イン・コンソール)に対応】
    新型「Model A025」は、ユーザー自身が「レンズのファームウェア更新」「AF調整」「フォーカスリミットの設定」「フルタイムマニュアルの設定」「手ブレ補正機構の挙動方式の選択」などのカスタマイズができる「TAMRON TAP-in Console」に対応しています。
  • 【eBANDコーティングの追加】
    新型「Model A025」は、優れた反射防止性能でゴースト・フレアを効果的に抑制する「eBAND(Extended Bandwidth & Angular-Dependency)コーティング」が新採用されています。
  • 【防汚コートの追加】
    新型「Model A025」は、レンズ最前面に撥水性・撥油性に優れたフッ素化合物による防汚コートが採用されています。レンズ表面に汚れが付着しても拭き取りが容易です。

向上した機能
  • 【画質の向上】
    新型「Model A025」は旧型「Model A009」から光学設計が一新されています。解像度やコントラスト性能が向上しながら、ボケの美しさも実現しています。旧型「Model A009」にも搭載されているXLDレンズやLDレンズを適切に配置することで、色収差の徹底的な除去や画像周辺部まで均一性の高い描写力を達成しています。
  • 【手ブレ補正機構VCの向上】
    旧型「Model A009」は最大4.0段分の補正効果がある手ブレ補正機構VCが搭載されていましたが、新型「Model A025」はクラス最高となる5.0段分もの補正効果を実現しています。新型「Model A025」は3つの手ブレ補正モードが追加され、バランスが取れた通常モード、流し撮り専用モード、シャッターが切れる瞬間のみ補正するモード(補正効果優先でこのモードが5段分の補正効果を実現)が搭載されています。
  • 【オートフォーカスの向上】
    新型「Model A025」と旧型「Model A009」はどちらもリング型超音波モーター「USD(Ultrasonic Silent Drive)」が搭載されていますが、新型「Model A025」は最新のマイクロコンピューター2つと最適化されたアルゴリズムにより、旧型「Model A009」からオートフォーカス速度と精度が向上しています。
  • 【最短撮影距離の向上】
    旧型「Model A009」は最短撮影距離1.3mに最大撮影倍率0.125倍でしたが、新型「Model A025」は最短撮影距離0.95mに最大撮影倍率0.16倍に向上しています。より被写体に近づいた撮影が可能です。
  • 【防塵防滴構造】
    旧型「Model A009」は水滴が侵入しにくい「簡易防滴構造」でしたが、新型「Model A025」は厳しい撮影環境にも対応できる高い「防塵防滴構造」になっています。旧型「Model A009」より高いレベルでダストや水滴の侵入を防ぎます。

どちらが買いか?
  • 新型「Model A025」だと思います。旧型「Model A009」でも画質や機能は非常に良くて評判が高いレンズですが、「TAMRON TAP-in Console」に対応していません。キヤノンやニコンの新型機でレンズを使用する場合に動作の不具合などが起きる場合があり、「TAMRON TAP-in Console」に対応していない旧型「Model A009」でそれが発生した場合はタムロンにレンズを送るなどして数日待つ必要があります。しかし、新型「Model A025」はユーザー自身がファームウェアをアップデートすることができるので、ファームウェアが公開されればすぐにレンズを対応させることができます。不具合の対応以外にも、ピント調整や手ブレ補正の調整なども可能なので、サードパーティ製の弱点を克服して自分に合った最適なカスタマイズ設定で末永くレンズを使用することができます。最短撮影距離の短縮も大きなメリットで、最大撮影倍率はあまり向上していないのでマクロ撮影のようなことはできませんが、撮影の幅を広げた快適な撮影が可能です。価格は3~4万円ほどしか変わらず、最近のカメラ全体の高級志向を考えると比較的安価な価格を実現しています。



製品名タムロン SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A025)タムロン SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD (Model A009)
発売日2017年02月23日2012年11月22日
価格15万円前後11万円前後
マウントキヤノンEF、ニコンFキヤノンEF、ニコンF、ソニーA
シリーズDiシリーズ
タイプズーム
センサーフルサイズ
レンズタイプ一眼レフ
焦点距離70~200mm
オートフォーカス
マニュアルフォーカスフルタイムマニュアルフォーカス
絞りF 2.8~22F 2.8~32
絞り羽根枚数9枚
レンズ構成17群23枚
最短撮影距離0.95m1.3m
最大撮影倍率0.16倍0.125倍
画角34.21~12.21°
フィルターサイズ77mm
フード付き花型
手ブレ補正機能5.0段分
防塵・防滴構造防塵防滴構造簡易防滴構造
XLDレンズ
LDレンズ
eBANDコーティング
最大径88mm85.8mm
長さキヤノン:193.8mm、ニコン:191.3mm188.3mm
重さキヤノン:1500g、ニコン:1485g1470g(着脱式三脚座を含む)

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