「最大撮影倍率」はセンサー上に被写体がどれだけの大きさで写るかを示します。例えば、「最大撮影倍率」が「1.0倍」のレンズで、500円玉(直径が23.5mm)に最大まで近づいて(最短撮影距離)撮影すると、センサー上に「1.0 x 23.5」で23.5mmそのままの大きさで写ります。「0.5倍」のレンズなら、「0.5 x 23.5」で11.75mmのサイズです。1mmの被写体が「2.0倍」なら2mm、「5.0倍」なら5mmにモニター上で拡大して撮影できると覚えれば分かりやすいかもしれません。
数値だけでは分かりづらいので、図で見ていきます。以下の画像は、36×24mmのフルサイズセンサーと直径26.5mmの500円玉を実際と同じ大きさにして横に並べた画像です。赤がフルサイズセンサーで、黄色が500円玉です。
単純にフルサイズセンサーと500円玉を重ねると、500円玉が少しはみ出します。
ということは、「最大撮影倍率」が「1.0倍」のマクロレンズ(カメラはフルサイズセンサー搭載機)で最大まで近づいて500円玉を撮影すると、センサーからはみ出した部分は撮影されないので、500円玉の上下が削られた以下のような写真が撮影できるはずです。
実際に撮影してみます。計算した通りの大きさで撮影されました。
次は違うセンサーサイズを試してみます。小さなセンサーサイズほどマクロ撮影は有利だと言われます。以下の画像は17.33x13mmのフォーサーズセンサーと500円玉を横に並べた画像です。
重ねると以下のように500円玉がセンサーサイズより大きくなっています。「最大撮影倍率」が「1.0倍相当」のマクロレンズ(カメラはフォーサーズセンサー搭載機)で最大まで近づいて500円玉を撮影すると、赤色の中央部分のみ撮影されます。フルサイズセンサーと比べると、明らかに小さなセンサーサイズのほうがより被写体を拡大して撮影できます。
オリンパスの「STYLUS TG-4 Tough」は1/2.3型(6.2x4.6mm)サイズのセンサーを搭載して最大44.4倍の顕微鏡のような撮影ができるなど、センサーサイズが小さいとその分マクロ撮影は有利になります。