ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編)


ニコン(Nikon)

ニコン「PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D」を購入したレビュー(ティルト編)について掲載しています。

ティルト・シフトレンズは、レンズの光軸を傾けることで遠近感や被写界深度をコントロールすることができる特殊なレンズです。前回のシフト編に続いて、今回はティルト編になります。

ティルト・シフトレンズは、「ティルト」と「シフト」の2つの機能が搭載されたレンズです。「ティルト」は「ティルト用ノブ」、「シフト」は「シフト用ノブ」を回転させることで傾きを変えることができます。絞りはカメラ側からコントロールできないので「絞りリング」で操作します。「絞りプレビューボタン」を押すと絞りがレンズとカメラに反映されます。
ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編) 1

レンズにはレボルビング機能と呼ばれるレンズを180度回転させる機能が搭載されています。この機能でレンズをスイングさせることで、横位置でも縦位置でも同じようにティルト・シフトの機能を使うことができます。
ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編) 2

「ティルト機能」は、被写界深度をコントロールすることができます。斜めになっている被写体を撮影する場合、ピントを合わせた前後がボケます。しかし、全体にピントが合うように絞り値を大きくすると、回折現象による「小絞りぼけ」でシャープさが失われることがあります。

「ティルト機能」は斜めになっている被写体と同じようにレンズを斜めに傾けることで、絞り値を変更することなくピントが合っている範囲を大きくすることができます。被写界深度を広げながら、同時にシャープにも写すことができる機能です。
ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編) 3

ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編) 4

以下の画像はF3.8でキーボードを撮影した画像です。中望遠レンズで絞りを空けながら接写しているので、かなり前後がぼける状況です。「下向きにティルトした状態で撮影」、「ティルトしない状態で撮影」、「上向きにティルトした状態で撮影」です。上から下にいくにつれてボケが大きくなっています。ティルトすると写る範囲が変わるので動かして合わせています。
ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編) 5

レボルビング機能を使ってレンズを回転し、縦の状態で同じ撮影をした画像です。通常の物撮り撮影時のように絞れば、手前から後ろまでよりピントが合った範囲を広く写せます。ティルト・シフトすると解像力は少し落ちます。
ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編) 6

「ティルト」はミニチュア・ジオラマ風の画像を撮影することもできます。物撮り時とは反対に、上向きにティルト(逆ティルト)させた状態で撮影します。
ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編) 7

通常の風景写真とは異なる面白い描写になります。ティルト・シフトレンズはこの使い方が一番良く知られているかもしれません。
ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編) 8

色調補正しました。
ティルト・シフトレンズの使い方(ティルト編) 9

参考になれば幸いです。
ライター:kou
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